[班研究会] 環境・生態班第1回研究会(2016年11月13日開催)

日時:2016年11月13日(土)10:00~12:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階小会議室1
(以下敬称略)

報告タイトル:環境ガバナンス論とアフリカ潜在力―「環境・生態」をめぐる議論の現在地の検討
氏名:目黒紀夫
所属:広島市立大学

今回の班会議では、代表者の目黒の発表をつうじて、①「アフリカ潜在力」をめぐるこれまでの議論を確認するとともに、②環境保全というグローバルな「問題」についての学術的な議論の最近の傾向を検討し、③それらの結果をふまえて今後の班の活動の方針を決定した。①については、昨年度末に刊行された『アフリカ潜在力シリーズ』全5巻における「アフリカ潜在力」の議論を整理し、アフリカを「欠如態」として一元的かつ否定的に捉える外からの眼差しへの反論として「アフリカ潜在力」というアイデアが提起されている点の重要性を指摘した。また②については、今日の環境保全の議論では、政府や住民だけでなく企業や非政府組織などの多様な主体が協働する「環境ガバナンス」が目指されるようになっているが、その議論の大筋は「アフリカ潜在力」が批判する西欧近代的な思考の枠組みに留まっているように思われる点を説明した。これらの点について参加者からは、「アフリカ潜在力」として議論ないし提示すべき内容の抽象性/具体性について検討することの必要性、「環境ガバナンス」にたいして開発人類学的な実践志向をもってアプローチするのか、それとも開発の人類学のような批判的なスタンスを採用するのかについて議論を深めることの重要性などが指摘された。これらをふまえて最後に③について、「環境ガバナンス」にかんするレビューはさらに深める必要があるが、各メンバーの調査研究の内容がそこから大きく外れるものではないことが確認された。班全体で各自の進捗状況などの情報を共有するだけでなく、アプローチやトピックが近いメンバー同士で比較をしたり、他地域・他分野の専門家をコメンテーターとして招いしたりすることで、議論のさらなる発展を目指していく方針である。

目黒紀夫

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