[第3回班研究会] 教育・社会班第3回研究会(2017年1月28日開催)

日時:2017年1月28日(土)11:00-13:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階小会議室2
(以下敬称略)

報告タイトル1:モザンビークの社会変容と雇用政策の変遷―社会移動の可能性と教育―
氏名:網中昭世
所属:アジア経済研究所
報告タイトル2:「発展」のために「後退」する:初期植民地期英領ゴールドコースト(現ガーナ)の現地エリートが構想した「知的退歩」運動
氏名:溝辺泰雄
所属:明治大学

班メンバーのうち、これまで政治的な事象について社会学的にアプローチしてきた網中昭世と、主に歴史学的な研究をすすめてきた溝辺泰雄の2名が、他のメンバーから事前に出された質問に対して回答しながら、自らの研究を教育に関わる事象と関連づけて発表した。発表題目は次のとおり。(1)「モザンビークの社会変容と雇用政策の変遷−社会移動の可能性と教育」(網中)、(2)「発展のために後退する−初期植民地期英領ゴールドコースト(現ガーナ)の現地エリートが構想した「知的退歩」運動」(溝辺)。

網中氏は、モザンビークから南アフリカ鉱業への移民労働に着目し、送り出し社会と南アフリカの社会的な変容と移民労働についての政策的な変遷を検討したうえで、近年モザンビーク国内で初等教育が拡大するだけではなく高等教育機関が新設されていることを紹介した。今後、制度的に移動労働が成り立たなくなった際に、人びとの職業選択において高等教育がどのような役割を担いうるかについて意見交換をおこなった。

溝辺氏は、ガーナの植民地初期におこった「後退運動(Backward Movement)」とその提唱者S.R.B.アットー=アフマの半生について紹介し、その思想を「西洋」と対峙するための現地エリートにとっての防衛手段として提示した。アフリカの教育は制度や雇用の問題と関連づけられて検討されることが多いが、教育実践に関わる思想について検討する意義やその可能性について意見が述べられた。さらに、この研究プロジェクトでは、二元論的な枠組み(近代vs.伝統、西洋vs.アフリカ等)に立つことを避けてアフリカの教育にかかわる事象を検討することを出発点として、アフリカ潜在力を模索していくことを確認した。

最後に、班メンバーの辻本温史氏が、2016年12月3日〜12月18日のあいだにルワンダへ渡航し高等教育機関の教員へインタビューした内容を報告した。

金子守恵

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