[第2回班研究会] 開発・生業班第2回研究会(2017年1月28日開催)

日時:2017年1月28日(土)11:00~13:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
(以下敬称略)

報告タイトル:治療のシチズンシップからケアの生態系へ―アフリカにおける抗HIV治療と抗てんかん治療
氏名:西 真如
所属:総合地球環境学研究所

報告者はまず、グローバルヘルスやUHC(Universal health coverage)といった体制の問題点として、医療介入によって医療的な成果だけでなく教育成果や貧困問題の改善といった効果を一挙に得ようとする「効率性に取り憑かれた思考様式」にもとづいて構築されているために、人間の病の経験に対する関心を失わせることを指摘した。効率性を重視した医療体制に対し、報告者はエチオピアのHIVをめぐる具体的な事例を取り上げ、HIV陽性者は治療薬を無料で入手できるが、HIV陽性者のなかにはHIV以外の疾患や低所得といったほかの問題を抱えている人が多く、治療薬を入手できたとしても効率的に諸々の問題群が解決しているとは言いがたい状況であることを示した。このような状況を踏まえ、報告者はアフリカで広くみられるてんかんの事例を示し、ガバナンスやマーケット、水、植生、土壌といったてんかんを抱える子どもとその家族を取りまく環境を「ケアの生態系」とし、患者のおかれている状況を複合的にとらえることの重要性を論じた。

桐越仁美

This entry was posted in summary. Bookmark the permalink.