[第4回班研究会] ジェンダー・セクシュアリティ班第4回研究会(2018年1月27日開催)

日時:2018年1月27日(土)12:00-14:25
場所:京都大学稲盛財団記念館3階301
(以下、敬称略)

報告タイトル:軍隊に託す未来―現代ルワンダ農村社会を生きる彼女たちの選択―
氏名:近藤有希子(日本学術振興会/同志社大学)

1990年代前半の深刻な紛争や虐殺の時代を経て、現代のルワンダにおける農村の若者や女性たちの社会的状況についての報告がなされた。

報告者は、フィールドワークの際に出会った2人の若い女性との会話の中から、彼女たちが軍隊に入ることを希望している(た)ことを知り、その背景や理由、周囲の反応についての調査をおこなった。実際には彼女たちは軍隊には入らなかったものの、農村において十分な現金収入や雇用もなく、過耕作や人口増加で土地にも依存することができなくなるなかで、女性が軍隊に入隊することに関して、ある種、積極的にとらえられる社会的な文脈のあることが述べられた。しかし農村においては「女の子なのに」という従来のジェンダー規範も手伝って、親や恋人などの親しい者が反対する場面もいまだにみられる。報告では、彼女たちにとっての軍隊という選択が、現代のルワンダを生きる〈若者〉という世代観、エスニシティやジェンダーなどの差異が交差する地点で生じていることが明らかにされた。

また報告の最後には、農村の貧しい若者が国家の暴力機構としての軍隊に行くということが孕む社会構造的な問題や、現在の体制を維持したままにおこなわれるジェンダー統合についての問題提起がなされた。

質疑応答では、女性兵士の積極的な登用がいつ開始されたのか、現在の国軍のなかのジェンダーやエスニシティの構成比やその具体的な役割への関心が提示された。また近隣の国(エリトリアやエチオピア、ウガンダ)でも「再教育/団結キャンプ」が実施されていたことや、国内の軍隊がPKOに参加することでの国としての外貨獲得の可能性があるなどの情報交換も行われた。

(宮地歌織)

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