[班研究会] ジェンダー・セクシュアリティ班第9回研究会(2018年6月16日開催)

日時:2018年6月16日(土)12:30~14:30
場所:京都大学稲盛財団記念館3階318号室

今回の本班会議では、(1)GS班のメンバーによる学会発表の報告、また(2)今後の学会発表や研究予定等についての情報共有が行われた。

(1)学会発表報告
2018年5月26日、27日に北海道大学にて実施された日本アフリカ学会における二つのフォーラム発表(①女子割礼・女性性器切除(FC・FGM/C)とローカル社会 の多様性、②国家・NGO・草の根社会-エチオピアとウガンダの事例の検討-)について学会での登壇者より発表抄録をもとに概要の説明が行われ、その後質疑応答を行った。

① については、GS班メンバーでもあり学会発表の登壇者の一人である戸田より、報告が行われた。発表内容は、これまでMDGsや現在のSDGsにもとづく国際社会におけるFGM廃絶に向けての取り組み(ゼロ・トレランス運動等)について論じられ、その後ケニアの個別社会(ソマリ<戸田>、グシイ<宮地>、マサイ<林>、サンブル<中村>)についての調査や文献研究等にもとづいた現地の状況についての報告がなされた。またスーダン(アブディン)においては国レベルのFGC廃絶キャンペーンについて、イスラム教との関連について論じられた。

② については、GS班メンバーでもあり学会発表の登壇者の一人である宮脇より、報告が行われた。本フォーラムでは、エチオピアとウガンダにおけるNGOをめぐって、国家あるいは地域社会との関連性についての状況についての考察が行われた。特に1980年代から途上国の開発におけるNGOの役割が注目され1990年代に爆発的に増加しつつも、同時多発テロの影響や二国間援助への流れの影響からNGOに関する法律での規制が行われてきたことに関して、エチオピアの国家レベルでの対応、またエチオピアのティグライ州における政府系NGOの事例(眞城)、また南西部の農耕民ホールにおける女性組合の事例(宮脇)、ウガンダにおける南スーダン難民のNGO(CBO)の事例(村橋)が報告された。

(2)今後の学会発表、そのほか
2018年7月16日~21日までブラジルのサンタカタリーナ州フロリアノポリスのサンタカタリーナ州立大学にて開催されるInternational Union of Anthropological and Ethnological Sciences (IUAES)においてGS班よりパネルでの発表を予定している(タイトル:Diversification and Reorganization of ‘Family’ and Kinship in Africa: Cross-cultural Analysis on Economic Discrepancy, Conflicts and Potential of Indigenous Institutions for Social Security)。本パネルで発表予定の宮地・橋本(GS班)、また村橋によって発表内容についての概要説明が行われた(GS班からは香村も発表予定)。

またそのほか、日本アフリカ学会に引き続き、FGM/FCのテーマで、立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)にて実施されるAPコンフェレンス(12月1日、2日)において、GS班の宮地、戸田によってパネルでの発表が予定されている(タイトル:Comparative Studies on “Female Genital Mutilation” in Africa and Southeast Asia Global and Local Politics on the Female Body)。

そのほか、GS班の京大研究員の有井より現在行っているエチオピアにおける調査についての概要について、また京大院生の寺本より今後の研究予定などについて情報共有がなされた。

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