[社会・文化ユニット第11回研究会]梅屋潔「ゴールド・スキャンダル前夜:オフンビ家文書に垣間見る紛争の内幕」(2013年07月13日開催)

日 時:2013年7月13日(土)10:30~12:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階、小会議室2

プログラム

梅屋潔(神戸大学)
「ゴールド・スキャンダル前夜:オフンビ家文書に垣間見る紛争の内幕」

報告

ウガンダでは1965年に「ゴールド・スキャンダル」として知られる疑獄事件が発生した。これは、当時、争乱状態にあったザイール(現コンゴ民主共和国)で産出される金と象牙、コーヒーを、ウガンダの首相であったオボテをはじめとする政治家や軍人が密輸している疑いがあることが、国会で告発されたことに端を発している。その中心人物のひとりはアミン大佐(のちの大統領)であった。オボテは暫定憲法を強行採決して大統領に就任し、対抗勢力とのあいだの対立をつよめ、1966年5月にはアミンが率いるウガンダ軍がブガンダ王カバカの宮殿を攻撃し、「66年危機」と呼ばれる政治的な混乱状態が引き起こされた。 本報告は、この一連の事件に深く関与していたと思われる人物の遺品の一部であった「オフンビ家文書」の分析をとおして、混乱を極めた当時の政局の一端を明らかにし、また、当時の政治エリートがどのような時代を生きていたのかを解読した。(太田至)

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