[海外出張報告] 太田至(開発・生業班)ケニア共和国・タンザニア連合共和国 海外出張期間:2020年2月4日〜3月5日

「ケニアで実施された国際会議の出席およびトゥルカナ・原油探査地域における現地調査、2020年度にタンザニアで実施する「アフリカ・フォーラム」の準備」
太田至

(派遣先国:ケニア共和国・タンザニア連合共和国/海外出張期間:2020年2月4日〜3月5日)

ケニアでは第一に、本研究プロジェクトの開始当初から海外協力者として参加していただいているKennedy Mkutu教授(アメリカ国際大学・ナイロビ)が主催した国際会議「Impacts of Mega-Projects in East Africa」(2020年2月7日開催)に出席して口頭発表と討論をおこなった。太田は「Social Impact of Oil Exploration and Production in the Turkana County, Kenya」と題する口頭発表においてトゥルカナ郡南部で進行している石油探査・開発事業が地元社会に与える社会的・経済的影響について報告した。

ケニアでは第二に、上記のトゥルカナ地域における現地調査も実施した。石油探査・開発事業を行っている多国籍企業(Tullow Kenya BV)は、企業の社会的責任(CSR)を果たすための取り組みとして、その下請け仕事の30%を地元の会社に行わせるとともに、学校や診療所、水場の建設などを「社会投資プログラム(Social Investment Program)」の名のもとに遂行している。今回の現地調査では、地元民が自ら建設会社を立ち上げて、下請け仕事や社会投資プログラムの実施を請け負っている実態を明らかにした。地元民は、Tullow Kenya BVが行ってきた研修事業に参加してビジネスに関する知識を修得するとともに、お互いに情報を交換しつつ、ときにはUSAIDなどの支援を受けながら積極的にビジネスに参与していた。

本研究プロジェクトでは、毎年一回、アフリカ各地の都市において「アフリカ・フォーラム」を実施しており、2020年度にはタンザニアのダルエスサラームで開催する予定である。その準備をするために太田は、モロゴロにあるソコイネ農業大学を訪問してAmon Mattee教授およびDavid Mhando教授と面談し、本研究プロジェクトの目的やこれまでの実施状況を説明するとともに、来年度にアフリカ・フォーラムを共催するための協議をおこなった。Mattee教授には、来年度のフォーラムでキーノート・スピーチをすることを了承していただき、また、このフォーラムで「アフリカ潜在力」に関する口頭発表を行うタンザニア人の研究者を数名、紹介することも快諾していただいた。太田はまた、このフォーラムを実施できる環境を備えたホテルを探すために、ダルエスサラームで5つのホテルを訪問し、会場の下見を行った。

African Management InitiativeがLundin Foundationと連携して2018年に現地で実施した4か月間のビジネス研修に参加したトゥルカナ女性に与えられた修了証明書

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