高橋 基樹


高橋 基樹 TAKAHASHI Motoki
神戸大学国際協力研究科 教授
個人HP
専門政治経済学, 開発援助論
キーワード開発, 制度, 民族, 希少性, 公共性
テーマ別ユニット経済・開発
地域別クラスター東アフリカ
プロジェクト
メッセージ

人々の資源へのアクセスを規定する財産権制度は、その権利主体の安全保障やインセンティブの増進に寄与するとされ、開発論においてその定着はあまり疑われることのない政策目標となっている。しかし、特に近代的財産権制度の場合、その個別性と排他性が必須の条件とされるため、そうした制度を新たに導入することは立場を異にする主体間に緊張をもたらすことになると想定される。近代的制度は国家権力をその支えとして導入されるものであり、従来国家とあまりかかわりを持たなかった個々の人々も否応なく国家レベルの政治に影響されざるを得ない状況がもたらされ、国家権力をめぐる社会集団間の緊張や紛争、典型的には「部族」主義的対立はそうした状況の産物であると考えられる。こうした仮説的枠組みの適用可能性を、私的土地所有制度を既に持つケニアを比較の軸の一つとしながら、土地の一般的希少化や「土地の強奪(land grab)」が広がる現代アフリカの諸社会に関して探ってみたい。

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