海野るみ


海野 るみ UMINO Rumi
個人HP
専門文化人類学、民族音楽学(音楽人類学)
キーワード(1)オラリティ概念の再検討とオーラルな実践からみる関係性の構築, (2) indigenous概念の多義性と「先住民族」の位置づけ/位置取り , (3)人類学者の「フィールド」と「日常」のあいだ
テーマ別ユニット社会・文化
地域別クラスター南部アフリカ
プロジェクト
メッセージ

本プロジェクトでは、上記テーマ(1)~(3)について、南アフリカでのフィールドワークを基に研究を進める。(1)(2)については、グリクワの人々(南アフリカの「先住民族」の一グループ)の問題解釈の方法である「歴史geskiedenis」の実践に関して1990年代後半から重ねてきた研究を発展的に継続する。特にグリクワの人々のオーラルな「歴史」実践―主にうたうことや語ること―を通じた共同体の内部や外部の他者との関係性の構築が、彼らが生き抜く術としてのみならず、結果的に紛争の回避や共生に貢献する可能性を探る。また、南アフリカの文化政策における「indigenous」概念について検討を加え、その多義性が「先住民族」としてのグリクワを含むコイサンの人々に与える影響と、グリクワの人々側からの政策や概念への関わり方―「歴史」実践による解釈―を記述し検証する。(3)では現代の南アフリカの人類学者、学界に関する人類学的研究を行う。複雑に構造化された「文化的多様性」を有する南アフリカで日常とフィールドのあいだを行き来する人類学者たちが、常に課題としてきた、人類学的調査や研究における他者との関係性の構築、他者認識について、人類学者への聞き取り調査などにより明らかにする。

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