[班研究会] ジェンダー・セクシュアリティ班第12回研究会(2019年11月2日開催予定)

日時:2019年11月2日(土)13:00~14:50

場所:京都大学稲盛財団記念館3F中会議室
アクセス:https://www.africapotential.africa.kyoto-u.ac.jp/mms/info

発表タイトル「Forget-me-not」
話者:藤元敬二(ドキュメンタリー写真家)

プロフィール:
1983年生まれのドキュメンタリー写真家。米国州立モンタナ大学ジャーナリズム学部を卒業後にはネパールの新聞社勤務を経て、主に発展途上国に暮らす肉体的、精神的な影を主題とした数々のドキュメンタリープロジェクトを制作・発表している。
2014年8月から2015年12月にかけてはケニアに暮らしながら東アフリカに暮らすゲイの人々の撮影を行った。
http://www.keijifujimoto.net/

発表要旨:2014年8月。朝早くに目が覚めた。陽はまだ昇っておらず、眠った大地を覆う東の空は暗かった。僕はエアアラビアの機内サービスでコーヒーを頼み、これから始まる東アフリカでの生活への期待と不安の中で揺れ続けていた。
  思春期を迎えゲイであると感じ始めた頃から、世の中に絶対的に正しい価値観など存在しないと信じてきた。よく晴れた太陽のもとでこそ、大地にくっきりと刻み込まれる影。そこに生きる自身の宿命を自覚したのだ。
  ネパール山間部の少女売買、ムエタイギャンブルに生きるバンコクの人びと、中朝国境での密輸や脱北者たちなどなど。若き僕が敢えて選び映し取ってきた写真の中には、常に社会の少数派として生きる人々の『苦しみ』が映し込まれていた。
  己の核心に触れられることは許さず、苦境に在る人々の姿を通して感情を代弁してもらい続けている。いつしか自身が卑怯だと感じる様になっていった。そんな僕が30代を迎え、新たな歩みとして『同性愛』を東アフリカに暮らしながら撮影することを決断したのは、必然的なことだったのかもしれない。
着陸の時間は迫っていた。
「これから始まる撮影はきっと、自分自身を見つめ続ける日々にもなるだろう」
心で反芻する僕の横で太陽が昇り、朝日に照らし出されたナイロビの高層ビル群が光り輝いていた。

問い合わせ:wakanatokyo[at]gmail.com (東京外国語大学AA研 椎野若菜)
※[at]は@に変更してください。

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