[班研究会] 教育・社会班第7回研究会(2018年10月2日開催)

日時:2018年10月2日(火)16:00~18:00
場所:名古屋大学大学院国際開発研究科8階第一会議室

10月2日の班会議では、南アフリカ共和国人文科学研究評議会・理事長のCrain Soudien博士による講演会を行い、その後に意見交換会を行った。Soudien氏は、世界比較教育学会の会長をアフリカ人として初めて務めたこともあり、教育学、社会学的観点からの南アフリカやアフリカの状況に関する分析では、広く知られた人物である。

講演会は「Decolonisation debate in South Africa and its wider significance for education」と題し、2015年のRhodes must fall運動に始まる一連の脱植民地主義運動と、それに端を発する理論家の間での哲学論争の本質に迫るものであった。こうした運動の中心となっている大学において、知識の探求そのものの本質に潜む欧米中心主義を離れて、どのように学問や知識の中心性を再定義するかが議論の的となっている。Soudien氏は、脱植民地主義論争が本質的に欧米中心の認識論からのパラダイム転換を伴うものであるのか、複数の立場からの見解はまだ帰結を見ていないという。

講演会には、班メンバー及びそれ以外のアフリカ研究者、学生なども多く参加し、活発な議論が行われた。特に、哲学的な議論が、ブラック・コンシャスネスを強調するあまり、別の形での差別化につながるのではないか、本質的な意味でのユニバーサリズムに到達する思想はありえるのかといった意見や、こうした議論が現実の制度や施策に反映される可能性があるのか、またそれはどのような形を取りうるのか、といった質問が出た。

This entry was posted in summary. Bookmark the permalink.