【2012年度派遣報告】伊藤義将 ”Conceivable changes triggered by the forest conservation projects on Coffea arabica growing forest area of the southwestern Ethiopia: 13th Congress of International Ethnobiology” (国際民族生物学会 第13回大会)

(派遣先国:モンペリエ、フランス/派遣期間:2012年5月16日~27日)
”Conceivable changes triggered by the forest conservation projects on Coffea arabica growing forest area of the southwestern Ethiopia: 13th Congress of International Ethnobiology” (国際民族生物学会 第13回大会)
伊藤 義将(京都大学アフリカ地域研究資料センター・研究員)
キーワード:Coffea arabicaが自生する森, 開発援助が招くコンフリクト, ベレテ・ゲラ森林保護区域, エチオピア

派遣の目的と得られた知見

第13回国際民族生物学会のメイン会場となったLe Corum Conference Center

本派遣の目的は、エチオピアの自然保護活動が起因となって生じるコンフリクトについてポスターにまとめて発表し、世界各国の研究者と各国の状況や研究体制について情報交換を行うことであった。

発表は、ブラジリア大学持続可能型開発研究センターのエステル・キャッツ博士と京都大学の山越言氏がオーガナイザーを勤めたHistorical and Contemporary Changes in Importance of Food Plant Useというセッションで行い、エチオピア南西部のCoffea arabicaが自生する森で2003年から始まった住民参加型森林管理プロジェクトが、森林及び地域住民の生活にもたらす負の変化のメカニズムについて説明をした。その後、外部アクターが森林保護活動を行う際に想定している「住民」とは誰であるのか、「住民」の意思決定プロセスはどのようなものなのか、在来の意思決定機構は地域内に不平等を生じさせることがないのか、不平等が生じてしまう場合に研究者はどこまで、そしてどのように地域住民に助言をすることができるのかといった議論が交わされた。その他に、森林に自生するC. arabicaのドメスティケーションの程度を明らかにするための調査手法や、C. arabicaとその送粉者の共進化の可能性について考察を行う必要性といった、今後の研究の展開についても多くの研究者から助言をいただき、非常に有意義な学会参加となった。(伊藤義将)

開会式で挨拶をするモンペリエ市長

モンペリエの水道橋

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