[南部アフリカ・クラスター第8回研究会]「Land and Agrarian Reform in Zimbabwe: Social and Structural Implications」Sam Moyo(第35回Kyoto University African Studies Seminar (KUASS)との共催、2015年03月07日開催)

日 時:2015年3月7日(土) 16:00~18:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階小会議室2

プログラム

演 題:Land and Agrarian Reform in Zimbabwe: Social and Structural Implications

要旨 <発表要旨(PDF)>

[南部アフリカ・クラスター第7回研究会/第20回公開ワークショップ]「マダガスカル南部におけるワオキツネザルの長期継続研究」市野進一郎「マダガスカル南部におけるワオキツネザルの長期継続研究」(第206回アフリカ地域研究会との共催、2014年11月20日開催)

日時:2014年11月20日(木)
場所:稲盛記念館3階中会議室

市野進一郎(京都大学)
「マダガスカル南部におけるワオキツネザルの長期継続研究」

要旨

マダガスカルは、固有種に富む独自の生態系で知られる巨大な島(日本の約1.6倍の面積)であるが、すでに森林の90%以上が消失したと推定されている。南部のベレンティ保護区では昼行性原猿であるワオキツネザルの継続調査が1989年からおこなわれてきた。本発表では、寿命、生活史特性、個体群動態など長期研究による成果を紹介するとともに、長期継続研究がマダガスカルの森林生態系の保全にどのように貢献できるかを考える。

[南部アフリカ・クラスター第6回研究会/第17回公開ワークショップ]リチャード・ズール「たばこと健康:ザンビアにおける喫煙行動のコントロールに関する研究」(第20回 Kyoto University African Studies Seminarとの共催、2014年1月10日開催)

日 時:2014年1月10日(金) 15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階318号室

プログラム

「たばこと健康:ザンビアにおける喫煙行動のコントロールに関する研究」
リチャード・ズール(ザンビア大学、ASAFAS客員准教授)
※講演は英語で行われます。日本語通訳はございません。日本語資料は発表要旨のみとなります。

要 旨

たばこの喫煙は、世界各地で健康問題を引き起こしているが、予防できるものである。 2002 年、2007 年、2011 年に実施された青少年の喫煙に関する国際調査によると、7~9 年生 で喫煙経験のない生徒のうち 22.6%が翌年に喫煙しており、今までに紙巻きたばこを吸っ たことのある生徒は 19.1%であった。22%の生徒は、両親あるいは父親か、母親のいずれか が喫煙していると回答をした。喫煙する生徒のなかには、朝にまず、たばこを吸いたくなる という、ニコチン中毒の症状を示す者も含まれている。たばこ会社の無償提供によって紙巻 きたばこをもらった生徒もいる。ザンビアは 2008 年 5 月 28 日に、WHO(世界保健機関) のたばこ規制枠組み条約(FCTS)に批准し、たばこによる健康被害の防止に努めている。FCTS に沿った包括的なたばこの喫煙を制限する法律が必要である。本発表のなかでは、若年層に よるたばこの喫煙行動の規制の必要性を示していきたい。

Tobacco is a major public health concern worldwide and a major leading cause of preventable deaths. Methods used are review of survey results from the 2002, 2007 and 2011 Global Youth Tobacco Survey (GYTS) and a desk review. The GYTS included school grades 7, 8 and 9. The never smokers likely to initiate smoking in the next year were 22.6%. About 19.1% of the students had ever smoked cigarettes. About 22% of students reported that one or more of their parents smoke. Among some of the students who were current smokers some reported wanting a cigarette first thing in the morning, an indicator of nicotine addiction. Some students reported being offered free cigarettes by a tobacco company representative. Zambia has made tobacco use prevention a primary health issue as evidenced by the ratification of the World Health Organization (WHO) Framework Convention on Tobacco Control (FCTC) on 28th May 2008. There is need to have a comprehensive tobacco control law which is FCTC compliant. Findings presented in this paper show that there is need for interventions towards tobacco control amongst young people who represent the ages of tobacco use initiation.

[南部アフリカ・クラスター第5回研究会]「国際フォーラム(ハラレ)の成果のとりまとめと出版にむけた打合せ」(2013年4月6日開催)

日 時:2013年4月6日(土)
場 所:京都大学稲盛記念館 3階 318室

プログラム

国際フォーラム(ハラレ)の成果のとりまとめと出版にむけた打合せ

報告

2012年12月7日から9日にかけて、ジンバブエ・ハラレで開催された第2回国際フォーラム(http://www.africapotential.africa.kyoto-u.ac.jp/research_activities/4016.html)の発表者が集まり、発表と討議の内容にもとづいた英文原稿を持ち寄りました。国際フォーラムのオーガナイザーのひとり峯先生を中心に、原稿の読み合わせとお互いの原稿に対する講評をおこない、成果本の出版にむけて今後の修正の方向性を検討いたしました。なお、この第5回南部アフリカ・クラスターの研究会は、ハラレの国際フォーラムに参加した関係者のみで開催いたしました。(大山修一)

[南部アフリカ・クラスター第4回研究会/第10回公開ワークショップ]村尾るみこ「アフリカ農民の創造性―ザンビア西部州アンゴラ移住民の生計戦略」(第193回アフリカ地域研究会との共催、2013年1月24日開催)

日 時:2013年1月24日(木)15:00 ~ 17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室

プログラム

「アフリカ農民の創造性―ザンビア西部州アンゴラ移住民の生計戦略」
村尾るみこ(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、研究機関研究員)

要 旨

アンゴラ移住民は、紛争を理由に南部アフリカのザンビア西部の農村に滞留する自主的定着難民である。彼ら/彼女らは、故地であるアンゴラからザンビアへの移住後、ナショナル・グローバルレベルでの政治経済変化のなかで土地利用などに関する制約を受けている。本講演では、アンゴラ移住民の生計戦略にみられる創造性に注目し、政治経済変動下のアフリカ農民にみられる諸特徴を検討する。

[南部アフリカ・クラスター第3回研究会]村尾るみこ「『共生』を再考する―ザンビア西部州における農地利用に注目して」(2012年7月20日開催)

日 時: 2012年7月20日(金) 17:00~19:00
場 所: 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1

プログラム

「共生」を再考する―ザンビア西部州における農地利用に注目して
村尾るみこ(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所)

報告

ザンビア西部州では植民地時代、バロツェ協定によるロジ王国の自治が認められてきたが、1964年のザンビア独立時に政府によって協定が一方的に破棄された。西部州では自治の獲得に対して根強い運動が継続されており、2011年の大統領選挙で勝利したサタ新大統領の公約もあって、ロジ王国を中心とする独立運動が本格化している。アンゴラの内戦によってザンビア西部州へ移住してきたンブンダという民族の人びとが、民主化、経済成長、新土地法の政策のもとで、どのように農地利用をしているのかを議論した。人々は1940年代以降にアンゴラより移住し、ロジ王国の慣習地においてキャッサバ栽培を中心とする焼畑農耕を営んでいる。1970年代に、移住はピークに達した。移住民はザンベジ川の氾濫原では耕作することは許されず、アップランドの貧栄養なカラハリサンドにおける耕作活動のみが許されている。移住民はリンボと呼ばれる居住集団を構成し、3~4世代の親族または婚姻、知人・友人関係が結ばれている。リンボの長は農耕儀礼や土地の分配について重要な裁量をもつ。焼畑に隣接する森林については、焼畑をすでに開墾している者が、開墾の権利をもつ。現行の移住民の焼畑農耕は広大な面積を必要とし、自然林の減少とともに、やがて立ちいかなくなる危険性が高く、生計経済を多角化する動きがある。リンボや村など社会組織のあり方、流動性のきわめて高い社会集団における土地の交渉について、議論がなされた。(大山修一)

[南部アフリカ・クラスター第2回研究会]大山修一「ザンビアにおける土地法の改正とベンバ社会の混乱」(2012年5月11日開催)

日 時: 2012年5月11日(金)
場 所: 京都大学稲盛記念館 3階 小会議室Ⅱ

プログラム

「ザンビアにおける土地法の改正とベンバ社会の混乱」
大山修一(京都大学)

報告

報告では、1995年に施行された新・土地法によって、土地保有証明書が強化され、外国人の土地保有に規制が緩和されるとともに、土地の権利については各地域や民族のチーフに大きな裁量がもたらされることになったこと、ザンビア北部で焼畑農業を続けてきたベンバ社会においても、この法律に起因してさまざまなタイプの土地の囲い込みが生じ、自給的農業の持続性が危機的状況におかれていることが論じられた。

討論では、新・土地法とそれに基づく制度が強い力を発揮する局面と、むしろそれが無効化される局面がありうることが議論された。とりわけ土地の囲い込みを認めるか否かや、その方法や手続きのあり方には、チーフの個人的資質や経験が、大きく影響していることに関心が集まった。そのために制度的に「混乱」が生じたり、不平等感を感じる人びとがいる一方で、チーフさえ交代すれば土地をめぐる社会状況も大きく変わりうるという可塑性によって、権力や富の集中といった一方向的な展開が避けられている側面があることも指摘された。また外国資本の参入や都市住民などによる「土地収奪」問題は、アフリカ全体に通じる今日的課題であり、それによって生じる紛争とその解決について広範囲から議論を深めることの重要性も確認された。(津田塾大学 丸山淳子)

[南部アフリカ・クラスター第1回研究会](2012年1月27日開催)

日 時: 2012年1月27日(金)
場 所: 京都大学稲盛記念館 3階 301号室

プログラム

問題提起と自己紹介

報告

世話人の峯陽一さんから南アフリカにおける入植の歴史、ヨーロッパ系の住民とバントゥー系住民の重層的な関係、HIV/AIDSの問題などを取り上げながら、この研究会が南部アフリカにおける紛争と共生をどのように扱っていくのか問題提起をおこなった。そののち、各自の研究者(遠藤貢、高田明、丸山淳子、クロス京子、阿部利洋、海野るみ、大山修一)が研究内容と問題意識を紹介した。さいごに峯さんから、①研究課題である紛争とポテンシャルをどう扱っていくのか、②アパルトヘイトを代表とする南アフリカ共和国の陰の部分をどうみるのか、③国家による国民統合とその排除、④アイデンティティのゆらぎ、⑤人々が移動してきたモビリティをどうみるのか、といった5点の総括がおこなわれた。さいごに、来年度の予定について打ち合わせた。(大山修一)